日本の家づくりに適した構造と工法
在来工法とは木の軸を組み立てて建物をつくる日本の伝統的な工法で木造軸組工法とも呼ばれています。ツーバイフォー工法などに比べ間取りの自由度が高く、増改築も容易で日本の木造住宅の主流を占めている工法です。
以前は、地震時に揺れやすい建物でしたが、建築基準法が改正され、現在では金物等で接合部を補強することで耐震性の高い建築が可能となっています。将来的な間取りの変更や増築、減築も比較的容易に行いやすい点がメリットとして挙げられます。
また、開放的な大きな開口を設けやすい点も大きな魅力です。家の周囲に自然がある敷地では、大きな開口を設けて室内にその自然を取り込むことができます。
各部材には複雑な加工を施すため、従来は仕口など現場での手作業による加工には高度な技術が必要とされましたが、近年はプレカット工場での機械による加工が主流となっており、精度の高い住宅の提供が可能となっています。
日本伝統の木材建築の技をコンピューターと機械加工技術で継承するプレカット工法は、図面情報を元に工場で部材を生産・加工します。材料選別からプレカット加工材の品質検査まで、徹底したチェックを行い生産される製品は加工精度が高く、施工のばらつきもありません。
木材は燃えますが、断面が大きくなると表面は焦げて炭化層ができます。酸素の供給が断たれることで、燃え難くなり、1000℃以上になっても必要強度は保たれます。建築基準法でも木材の防火性能は認められています。
左の写真は集成材を約1000℃まで加熱した模様です。外側は炭化して焦げていますが、中心部は熱の影響を受けていないことがわかります。
木材の力学的性質のうち、単位重量当たりの強度を比較するとスギと鉄では約4倍、コンクリートでは約5倍の差があります。そのため建物重量は大幅に軽量化が可能で、基礎はより小さく施工も容易ととなり、建物のコストダウンに結びつきます。
1987年建築基準法の改正によって、日本で大スパンの建築が本格スタートし、多くの大型建築物に採用されています。
なお、元禄時代に東大寺の大仏殿の修理が行われましたが、このとき長さを継ぎ、何本もの木を寄せ集めて強く丈夫な柱を構成していますが、これは集成材のルーツとも考えられます。
大型木造建築物に対応
日本古来の建築物にも使われる集成材の技術